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1998 年度 実績報告書

卵白アルブミンに脂肪酸を添加しただけでなぜゲル化するのか-その機構と応用的側面-

研究課題

研究課題/領域番号 10780088
研究機関日本大学短期大学部

研究代表者

太田 尚子  日本大学短期大学部, 専任講師 (00203795)

キーワード卵白アルブミン / 脂肪酸塩 / ゲル化特性 / 食品学的機能特性 / 動的粘弾性 / 保水性 / 透明ゲル
研究概要

平成10年度は、脂肪酸塩誘導ゲルの食品学的機能特性を解明した。
卵白アルブミンの加熱誘導ゲル、脂肪酸類を添加した加熱誘導ゲル、及び今回新たに見い出した脂肪酸塩誘導ゲルの物理化学的性質の違いについて、
1、 卵白アルブミン標品を用いて、低温から常温の範囲での種々の温度における、炭素鎖長10以上の2種の脂肪酸塩添加によるゲル形成性について動的粘弾性測定を行ったところ、10%卵白アルブミンに対して、カブリン酸ナトリウム添加(2%添加が最適)では15℃以上で時間経過に伴う貯蔵弾性率の増加が観察されたが、より鎖長の長いオレイン酸ナトリウム(3%添加が最適)では25℃以上で緩やかな貯蔵弾性率の増加が認められた。
2、 形成したゲルの保水性を遠心分離法により測定したところ、いずれの脂肪酸塩添加でも1%以上の添加で顕著な離水率の低下が観察され、各脂肪酸塩添加の最適条件以下の濃度でさえ保水性が向上することが明らかになった。
マイクロプレートリーダーを用いた波長500nmでの濁度測定法により評価したところ、0〜1%で半透明、2%以上で透明なゲルを形成し、添加量の増加に伴い徐々に濁度が低下し、上述の各脂肪酸塩の最適添加条件下では、25℃の常温で透明で保水性の優れたゲルが形成できることが明らかになった。
3、 卵白アルブミンの加熱誘導ゲル、脂肪酸塩誘導ゲル、脂肪酸塩誘導ゲルに更に加熱を施したゲルの3者について、それらの粘弾性を静的および動的試験により比較検討したところ、脂肪酸塩誘導ゲルの貯蔵弾性率は、加熱誘導ゲル(コントロール)の40%の非常に柔らかい性質をもっており、25℃で脂肪酸塩誘導ゲルを形成させた後加熱処理を施すことにより貯蔵弾性率が3倍に増加する事が明らかになった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Naoko Yuno-Ohta: "Formation of Fatty Acid Salts-induced Gel of Ovalbumin and the Mechanism for Gelation" J.Agric.Food Chem.46・11. 4518-4523 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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