骨粗鬆症予防の一対策としては、、20歳〜30歳代にかけて最大に達する骨量を、できるだけ早期(成長発育期)から高めておくことが重要である。しかし、近年、若年女性の低骨量が問題視されるようになり、将来的にみて、高頻度に骨粗鬆症が発症することが懸念される。 そこで本研究では、若年期の骨量増加および将来の骨粗鬆症発症予防を目的として、若年女性の食生活を中心とした生活習慣の実態を明らかにし、低骨量者への食生活改善を中心とした生活習慣の改善指導を実施すべく、骨量測定、栄養摂取状況調査、生活時間調査、および食習慣、生活習慣や健康への意識調査を行った。 その結果、骨量においては同年齢の基準骨量値と比較した場合ほぼ同レベルであった。栄養素等摂取状況においては、ほとんどの栄養素等摂取量が充足されておらず、特にカルシウムおよび鉄が所要量の約60%の充足状況であった。また、その一方で、脂肪摂取量のみが過剰であるという結果であった。なお、対象者の活動量はにおいては、全員が生活活動強度Iに分類できると判断した。食習慣等に関する意識では、・食生活及び身体活動のいずれにおいても、あまり意識が高いとは言えなかった。 カルシウム摂取の充足状況から考えて、本対象者の骨量が同年齢の基準骨量値と同レベルであったことは、この年代の基準値そのものが低い可能性も考えられ、若年女性の骨量基準値、および食生活を中心とした生活習慣の実態を明確にする重要性が示唆された。今後データ数を増やすなど、さらに詳細に検討する予定である。
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