研究概要 |
要介護高齢者の食行動能力及び食事形態と介護状態との関連を明らかにするために,特別養護老人ホームK施設に入所する高齢者49人を対象に、1998年8月に食事場面の直接観察を実施し,また,12月にはVTRを用いた間接観察を実施した.その結果,以下のことが明らかになった. 1. 高齢者49名の直接観察の結果,主食の形態は,常食・粥食・ペーストの内,粥食が21名(44%)と最く,副食の形態は,常食・細く.カッター・ペーストの内.カッターが19名(38%)と最も多くなっていた.しかしながら,食事形態の評価基準が明確ではなかった.食具は箸の使用が6名、フォーク・スプーンが15名、不使用(全介助)が28名であった。介護状態は自立者が全体の41%、半介助者が14%、全介助者が45%であった。食事形態・食具使用能力・介護状態からみた特性をタイプ分けすると、16タイプとなった. 2. VTRを用いた16タイプの内,8名の詳細なケーススタディの結果,1食の微細な食具の使用行動における介護担当者による介助の必要な行動の判断と,介護者による介護内容が明らかになると共に,要高齢者の認知・行為遂行能力の重要性が明らかになった. 以上を基に,次年度は,高齢者の食具使用行動のパターン化とその具体的な評価指標,介護担当者のまた,要介護認定の基準を提案したいと考えている.
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