研究概要 |
以下の研究課題1から3までの基礎的資料の収集・調査を行い、一部課題については奈良教育大学紀要、大学美術教育学会誌などに発表した。 1, 研究課題1《中央の制度や制策決定》の考察 明治後期〜大正期の文献の収集や国立国会図書館などでの図画科教科書の調査を通じて、当時の制度や政策決定者である白濱徴、阿部七五三などの考え方を整理した。来年度継続研究の中で、研究課題2,3とあわせ考察する予定である。 2, 研究課題2 信濃教育会下伊那部会美術教育研究年譜の作成と考察 長野市信濃教育会館、飯田市立中央図書館、飯田市立竜丘、松尾、座光寺などの各小学校での現地調査を行い、地方教育史料の収集・調査を行った。信濃教育会下伊那部会の中に位置した下伊那手工圖書研究會の国定教科書『新定画帖』の摂取・定着の過程の考察(奈良教育大学紀要第47巻)では、教育現場独自の捉え方が現れている部分を発表した。また、同部会の大正後期の図画科教育研究活動年譜の作成・考察(大学美術教育学会誌31号)では、自由画教育をはじめとする芸術教育運動の広がりの過程で地域社会の果たした役割を発表した。 3, 研究課題3 下伊那部会編の教授細目や保存されている児童画の分析資料作成 上記の下伊那地方の現地調査を行い、保存されている教授細目や当時の児童画などを収集し分析資料と作品リストを作成した。このとき、撮影した児童画を、国定教科書『新定画帖』の手本画と比較するためにパソコンに取り込んだが、来年度継続して研究し、考察する予定である。
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