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1999 年度 実績報告書

児童の経済認識の発達要因と形成過程に関する実験・実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10780135
研究機関愛媛大学

研究代表者

加藤 寿朗  愛媛大学, 教育学部, 助教授 (30274301)

キーワード社会科教育 / 経済認識の発達 / 拡散的思考 / 収束的思考 / 社会認識構造 / 知識成長過程
研究概要

本研究は,子どもの社会認識の発達的変化を明らかにするために行った。研究にあたっては,児童期から青年期にかけての子どもの社会認識構造の発達的変化を中心に検討した。小学生から大学生までの649名の調査対象者に,異なる営業形態の小売店を示し(例えばスーパーマーケットとコンビニエンスストア),その違いを質問紙に回答させた。回答内容を小売業経営の8つの要素を分岐視点として整理し,小売業と消費者の関係についての子どもの認識の実態を検討した。結果の主な点を要約すれば次のとおりである。
1.子どもの社会認識の発達は,量的増加と共にいくつかの質的に異なった発達段階に区切られる。
2.小学校4.5年生頃を過渡期として,具体的思考(concrete thinking)の段階から抽象的思考(abstract thinking)の段階へと移行する。
3.児童期から青年期にかけて拡散的思考(divergent thinking)と収束的思考(convergent thinking)が繰り返される。
4.子どもの社会認識構造(社会のわかり方)は並列型(Independent cognition),関連型(referential congnition),組み込み型(Incorporated cognition),変革型(reformative cognition),総合型(comprehensive cognition)の5つに類型化される。
5.子どもの知識成長の過程として,社会的事物・事象に関する知識を量的に増加させる段階から知識相互のネットワーク化を図る段階,あるまとまりとして知識を統合する段階へと移行し,さらにこれらの段階の螺旋的な繰り返しが想定される。
ここで明らかになった子どもの社会認識の発達に即した社会科授業改善の在り方を検討することが今後の課題である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 加藤寿朗: "社会認識形成の「論理」と「心理」の統合"『社会科教育』明治図書. No.481. 122-125 (1999)

  • [文献書誌] 加藤寿朗: "社会認識形成の変容過程に関する実証的研究"第48回全国社会科教育学会研究大会発表要旨収録. 42 (1999)

  • [文献書誌] 加藤寿朗: "児童の社会認識の発達を規定する要因に関する調査的研究-小学校社会科の教育内容を基盤として-"全国社会科教育学会編『社会科研究』. 50号. 121-130 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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