11年度は、10年度の調査結果に基づき、語彙データベース(10年度までに作成済)に加え、文法的には複雑だが頻繁に使われる固定表現を、実際に使用される文とともに示したテキストデータベースの作成をすすめた。これを、語彙データベース上のキーとなる語を指定することによって参照できるようにし、語と文を実際の使用の中に位置づけた。同時に、文字だけでは理解が困難な語彙および標識や看板等に用いられる漢字語彙の実際の使用を提示するための画像データを集積し、指示方法の検討を進めた。 以上のようなデータ入力とそのデータベース化に加え、文のレベルを越えたデータベースとして、談話機能別の別の短い会話例の作成・入力とデータベース化を行ったが、情報の構造化が困難であるため、語彙と機能からの検索による会話文の提示にとどまっている。 一方、これらデータベースをインターネットのWWW上で公開可能な形に組み直す方法の検討も進めた。10年度の調査の結果、柔軟性と発展性を有したままデータベースを公開できること、および個人レベルでもそれが可能になること等に鑑み、作成したデータベースがそのままWWW上に公開可能となる市販アプリケーションにこのデータベースを移行する。ただし、現有のバージョンでは、既存のサーバソフトとのコンフリクトを起こすため、通常のHPとの共存ができないほか、データベースからCDを作成してアプリケーションなしで動かすなど、インターネットに接続しないでもデータを利用できるような形態にすることができない。これらをともに可能とする新しいアプリケーションは補助期間中に発売・購入が間に合わなかったが、新年度のできるだけ早い時期に購入し、データベースの移行、インターフェイスの研究をすすめ、まずはWWW上での公開を目指したい。
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