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1999 年度 実績報告書

拡散過程に対する漸近理論とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 10780148
研究機関名古屋大学

研究代表者

阪本 雄二  名古屋大学, 工学研究科, 助手 (70215664)

キーワード拡散過程 / 強混合マルコフ過程 / M推定量 / 漸近展開 / マルチンゲール
研究概要

1.マルチンゲール性を利用した推定量の漸近展開(Sakamoto-Yoshida(1998))
ウィナー空間上の1次元マルチンゲールに関しては,分布関数および密接関数の漸近展開が,マリアバン解析を用いると2次のオーダーまで導出できることが知られている.一方,拡散過程のドリフトに対する多くのM推定量は,第1項がマルチンゲールである確率展開を持つことが知られている.これらを利用して,ドリフトが1次元パラメータで表される1次元拡散過程について,そのM推定量の分布関数および密接関数に対する2次の漸近展開を導出した.
2.強混合性を利用した推定量の漸近展開(Sakamoto(1998),Sakamoto-Yoshida(1998))
強混合性を持つマルコフ過程の加法的汎関数に関しては,離散時間径数,連続時間径数のどちらの場合も任意のオーダーまで漸近展開を導出できることが知られている.このことを利用して,確率展開が強混合性を持つマルコフ過程の加法的汎関数で表される推定量に対して,その分布関数および密接関数の任意オーダーの漸近展開を与える公式を求めた.その応用として,拡散過程を含む一般的な統計モデルに対して,M推定量およびミニマムコントラスト推定量の3次の漸近展開を求めた.さらに,この結果より,ドリフトが多次元パラメータで表される多次元拡散過程に対して,そのM推定量の3次の漸近展開を求めた.
3.確率過程に対する検定統計量の漸近展開(Sakamoto(2000))
検定統計量の確率展開の第1項がある確率変数の2次形式で表される場合,その確率変数の漸近展開を利用して,任意オーダーの検定統計量の確率分布に関する漸近展開を求めた.これを利用して,尤度比統計量,Wald統計量などの主要な統計量の3次の漸近展開を求め,さらに,拡散過程のドリフトに対する検定統計量の漸近展開を求めた.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Y.Sakamoto,N.Yoshida: "Asymptotic expansion of M-estimator over Wiener space"Statistical Inference for Stochastic Processes. 6. 1-18 (1998)

  • [文献書誌] Y.Sakamoto: "Higher order asymptotic expansions for functionals of mixing processes"Cooperative Research Report,The Institute of Statistical Mathematics. 111. 43-77 (1998)

  • [文献書誌] Y.Sakamoto,N.Yoshida: "Third Order Asymptotic Expansions for Diffusion Processes"Research Memorandum,The Institute of Statistical Mathematics. 708. 1-25 (1998)

  • [文献書誌] 阪本雄二,吉田朋広: "Malliavin解析と統計的漸近理論"統計数理,統計数理研究所. 47・1. 175-199 (1999)

  • [文献書誌] Y.Sakamoto: "Asymptotic Expansions of Test Statistics for Stochastic Processes"Cooperative Research Report,The Institute of Statistical Mathematics. 130(印刷中). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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