本研究では、一般化線形モデルと共分散構造モデルの融合を考え、より適用範囲の広い一般モデルを提唱することを目的としている。具体的には、一般化線形モデルで潜在変数を取り扱えるような拡張を行い、そのモデルでの統計的推測法を提唱する。 本研究の初年度であった平成10年度にはまず、一般化線形モデル、のうち対数線形モデルに潜在変数を導入した場合の推定法の研究を行った。推定法としては、最尤推定法、疑似尤度法、最小2乗法などについて、それぞれ推定法の漸近特性を調べた。また、モデルのグラフ表現についても考察した。すでにこれらの結果の一部について、第66回日本統計学会大会及び3rd Conference on StatisticalComputing of the Asian Regional Section(ARS)で研究発表を行った。現実のデータへの対応を考えた場合、当然小標本での特性を調らべなければならない。このためには、大規模なシミュレーション実験を行う必要があり、この数値実験を行うためのプログラム作成並びに、残された課題の整理など、来年度での研究へ向けての準備も行った。
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