電流系は経度方向にシート状の構造をもつので、もともと3次元の磁場データをうまく座標変換を行うと、ある一成分のみに区分的に直線と近似できる空間系列となる変動磁場が表出してくる。この知見を数値的に表すために、主成分分析的なアイデアと、大規模電流系に関連する3次元磁場データを適切かつ柔軟に表現できるモデルを組み合わせた新しい手法を開発した。すでに発見されている4例のイベントをサンプルとして、電流系同定のための素モデルの開発を始めた。ある程度モデルの柔軟性が確認できたので、データ解析例を100程度まで増やし、バッチジョブ的な手続きを行なうためのマクロプログラムの開発を行なった。100程度のデータ適用に問題がなかったので、次に5年分のデータセットすべて解析するプロジェクトに取り掛かった。これらの解析結果を効率良く編集してモデルのデータへの適合性を判断するために必要な可視化を中心としたプログラムの開発も同時に進行させた。最終的な結果をアメリカ地球物理連合学会秋季大会において発表し、新しい拡張性を期待させる十分意義のあるものとの評価をえた。
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