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1999 年度 実績報告書

画像処理における統計力学的概念をもとにしたソフトコンピューティング理論の構築

研究課題

研究課題/領域番号 10780159
研究機関東北大学

研究代表者

田中 和之  東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (80217017)

キーワード画像修復 / 統計的手法 / ソフトコンピューティング / マルコフ確率場 / 最尤推定 / 平均場近似 / 反復計算法 / 最適化手法
研究概要

本年度は統計力学的概念に基づく有限温度の画像処理に向けて前年度の成果を踏まえて研究を行い以下の成果を得た。
(1)マルコフ確率場モデルのハイパーパラメータの代表的推定手法である最尤推定法を研究代表者がすでに提案している拘束条件付最適化の立場で再定式化し、事前確率分布と原画像との関係を明確にし、クラスター変分法を用いた理論的検討をおこなった。
(2)上記の最尤推定はハイパパラメータの推定に原画像を必要とするが、劣化画像のみからハイパパラメータを決定する統計的手法としてよく知られる周辺尤度の最大化による方法のクラスター変分法を用いた理論的検討をおこなった。原画像と事前確率分布の相転移が密接な関わりがあることを具体的に示す結果を得ることができたが、これは今後の更に複雑な画像に対する有限温度の画像処理を考える上で重要な成果である。
(3)現実の濃淡画像の画像修復に対してよく用いられる結合マルコフ確率場モデルに対するクラスター変分法を用いたアルゴリズムを構成し、市販の低価格パーソナルコンピュータでも十分現実的な計算時間で他の非線形フィルターよりも良好の画像を得ることが可能であることを実証することができた。このことはこれまで計算時間に著しく問題があるとされてきた統計力学的手法による画像処理が実用に十分に耐える手法であることを示唆する成果である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 田中 和之: "画像修復の情報統計物理"数理科学. 37・12. 20-27 (1999)

  • [文献書誌] 田中 和之: "画像修復に対する統計的手法における最大事後周辺確率推定"電子情報通信学会論文誌(A). J82-A・10. 1679-1684 (1999)

  • [文献書誌] Kazuyuki Tanaka: "Approximate Optimization Algorithms in Markov Random Field Model based on Statistical-mechanical Techniques"Proceedings of International Workshop on Soft Computing in Industry'99. 165-170 (1999)

  • [文献書誌] 田中 和之: "確率コンピューティングと画像処理"第12回自律分散システム・シンポジウム. 141-146 (2000)

  • [文献書誌] 田中 和之: "結合マルコフ確率場モデルを用いた濃淡画像処理の画像修復とクラスター変分法"日本物理学会講演概要集 第2分冊. 54・2. 285 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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