研究概要 |
ソフトウェアオブジュクト間の制約・関係の表現方法確立のための基礎として,UNIXコマンドデータベース作成実験を行った。このデータベースで扱う制約とは,例えば「manコマンドの環境変数MANPAGERに設定して良いコマンドは何か?」といった,ソフトウェアの仕様そのものに関係する制約である。以下に成果概要を示す。 1.本実験で扱ったコマンドは,cat,man,tar,lprの4つのコマンドのみであるが,関係を表現するERA図はかなり複雑になることを確認した。例えば,manコマンドのみの関係図は実体数が17,関連数が22となった。 2.1.の関係図をEmeraude PCTE上で表現した上で,tarのオプションとMANPAGERの制約の一部について,Emeraude PCTE上のツールとして実験的実現を行った。 3.2.の実現において,やはり実現が困難な部分があることを確認した。これらは,制約の(1)位置情報,(2)仕様(意図),(3)動的情報の3つの性質に大きく起因し,実際のプログラムコードでも同様の困難さが生じやすいことを考察した。 つまり,ソフトウェアオブジェクトを形式的なオブジェクトに限定しても,制約の記述は困難であり,その原因は主に上記の3種類であることが,本実験の結論として得られた。
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