研究概要 |
力学系モデルへのマッピングを利用する並列計算機状態の3次元アニメーション化を容易に行うことができるツールを設計、作成し、提案のアニメーション化手法の有効性を評価するために必要なプロトタイプシステムを構築した。構築には、システムの可搬性を高めるためにVRMLおよびJava言語を利用した。 単に、3次元空間を表示し、そこにプロセッサを表す物体を配置したり、その間に働く力をインタラクティブに指定できるようにするだけではなく、力学的な力を利用して少ない操作回数で物体の配置等を決められるようにする力学系のモデリングをインタラクティブかつ視覚的に行なう手法を検討した。また、並列プログラムの実行履歴から得られる状態・統計量のモデルへのマッピングをインタラクティブかつ視覚的に行なう視覚化プログラミング技法も検討した。インタラクティブかつ視覚的な操作を容易にするために両眼立体視も利用できることが望ましく、検討に基づいてシステムの機能の充実が必要である。 1998年8月に米国ポートランドで開催されたACM 2nd SIGMETRICS Symposium on Parallel and Distributed Tools(SPDT98)において、性能デバッギングのためのアニメーション化ツール「かのこ」に関する発表を行った。また、情報処理学会論文誌1998年11月号(Vol.39,No.11)pp.3111-3121に、「かのこ」に関する論文が掲載された。 来年度は、本年度作成したプロトタイプシステムの機能を充実させると共に、そのシステムを利用して、提案しているアニメーション化技法の有効性を評価する。
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