研究概要 |
本年は,まず現行CADシステムにおいて一般的に用いられている曲線創成・変形方法の問題点を見いだした。次に,その問題点を解決するために,デザイナの描いた多くの曲線や実際の工業製品に用いられている曲線を分析して,デザイナはどのような曲線を魅力的と感じているか,またどのような曲線を描こうとしているかを分析した。その結果,デザイナーは自己アフィン性を有する曲線を魅力的と感じていることが明らかとなった。また,この事実をもとに,造形における曲線の視覚言語化・体系化を行った。 さらに,現在,自然造形物や工業製品以外の人工物(刀剣,陶芸など)まで範囲を広げ,それらに用いられている曲線を採取・分析中である。これにより,自然界にある造形物がどのような曲線で構成されているか,また古来から職人がどのような曲線(視覚言語)を用いて造形を行ってきたか,さらに視覚言語をどのように組み合わせて外形線を構成しているかを研究中である。 加えて,来年度開発予定のリバースエンジニアリングのための,視覚言語を用いた曲線創成システムのプロトタイプを開発中である。
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