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1998 年度 実績報告書

単一神経細胞の確率モデルの比較・検討と実験データからのパラメータ推定法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 10780248
研究機関光華女子短期大学

研究代表者

土居 淳子  光華女子短期大学, 生活学科・生活情報専攻, 講師 (00301713)

キーワード確率的分岐 / sine-circle写像 / Frobenius-Perron作用素
研究概要

脳における情報処理の仕組みを解明することを最終目的として,さまざまな方法で神経細胞のモデル化およびそれらを用いたシミュレーションが行われている.これらのシミュレーションは,脳が時々刻々不規則的に変化する外界の環境の影響を入カとして受けているにもかかわらず,決定論的な手法でなされることが多い.
雑音の付加された系においては状態量が確率的に決まるため,系の解析には状態量の定常確率分布などが用いられる.しかし,定常分布の形は必ずしも力学系の動的性質を反映せず力学系の分岐現象を扱うには適していない.
本研究では,確率的に変化する入力を仮定した系の振る舞いを解析する手法を開発することを目的として,雑音存在下での一次元写像の分岐現象を定義・解析する手法を提案した.具体例として,正規雑音が加法的に付加されたsine-circle写像を用い,この写像のFrobenuiu-Perron作用素の固有値解析の結果を例示しながら,Frobenuiu-Perron作用素の固有値を用いて確率的分岐点が定義できることを示した.
実際,サドルノード分岐は作用素の固有値が複素数から実数へ変化する点としてはっきりと観測された.また,この確率的分岐点は雑音のないときの分岐点からずれたが,そのずれと雑音の標準偏差との関係は線形であり,このグラフが原点を通ることは我々の確率的分岐点の定義の妥当性を伺わせる.
一方,周期倍分岐の場合,作用素の固有値は明らかな傾向を持って変化したが,サドルノード分岐の場合のようには.明確に分岐点を定義することはできなかった.しかし,分岐点を固有値の絶対値が極大になる点とすると,サドルノード分岐の場合と同様に,雑音の大きさと分岐点のずれとの関係が線形となることを示した.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Junko Inoue,Shinji Doi and Sadatoshi Kumagai: "Analysis of various stochastic bifurcation phenomena in a noisy one-dimensional mapping" Proceedings of 1998 International Symposium on Nonlinear Theory and its Applications. vol.3. 847-850 (1998)

  • [文献書誌] Shinji Doi,Junko Inoue and Sadatoshi Kumagai: "Spectral Analysis of Stochastic phase Lockings and Stochastic Bifurcations in the simusoidally forced van del Pol Oscillater with additre noise" Journal of Statistical Physics. vol.90. 1107-1127 (1998)

  • [文献書誌] S.Doi,J.Inoue,S.Sato,CE.Smith: "Bifurcation analysis of neuronal excitability and osciilations,in:R.Poxnanski led.),Modeling in the Neurosciences:From Ionic Channels to Neural Networks,Capter 16,pp.443-473" Harwood Academic Publishers, 31 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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