本研究では、手書き古文書のオブジェクト指向型画像データベースシステムを構築するために、手書き古文書のオブジェクト(英文筆記体)抽出とその特徴解析を行い、オブジェクトによる画像の検索をインターネットを介して利用できるようなシステムを作成することを目的としている。また、インターネットと画像データベースを用いた手書き古文書の人文社会系研究者への提供に対する影響の調査をし、今後の手書き古文書データベース作成のための参考となることを目指している。 題材に富山大学に所蔵されているラフカディオ・ハーンの「神国日本」手書き原稿を用い、本年度はディジタル化した画像データを用いて、データベース格納のための素材の加工及び利用者を意識したデータベースからの抽出・再現方法の検討を行った。 1. ヘルン文庫「神国日本」の手書き古文書(英語筆記体)のディジタルデータ(3000×2000画素、1200枚)から、筆跡・色・特徴などの特徴を調査した。紙の色やインクの色、単語間・行間の空き具合など、今後検討する文字の切り出しと認識のための調査を行った。 2. 古文書をディジタル化しインターネットで公開する場合、人文社会系の研究者がどのような利用行動にでるか、「神国日本」とその他の古文書のサンプルのデータベースを作成し調査した。 3. 画像の格納方法について、PDFやDJVUなどの圧縮方法を検討し、効率的に検索・再現でいるようなインターフェイスのデザインを検討した。
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