本年度は、動きそのものが持つ意味内容に立ち入った動画インデクシングを実現するための手がかりとして、クラシック・バレエ(以下「バレエ」)の動きの分析とその要素動作のアニメーション化を試みた。これは、来年度にアニメーション化した動画ファイルをデータベース化し、バレエのポーズとパを検索可能なレファレンス・トゥールを、ハイパーメディアとして構築するための準備である。 まず、バレエの動きを十分理解して要素動作を識別し、さらに身体の動きをインデクシングに必要なだけ体系化するために、バレエ技法の解説書、バレエのレッスン・ビデオ、バレエ解説のCD-ROMなどの資料を収集した。バレエはいくつもの流派があるが、本研究では、教授方法が厳密にシステム化されているロシアのワガノワ・メソッドと英国のR.A.D.のメソッドを対象とした資料を中心に収集した。必要に応じて、プロフェッショナルのバレエ・ダンサーおよびバレエ・インストラクターの助言を得て、基本的なポーズ(姿勢)とパ(動作)に関する数百の専門用語を理解し、バレエにおいて身体の動きがどのように分類、整理、体系化されているかを分析した。次に、パーソナル・コンピュータにコレオグラフィー・ソフト、モーションジェネレータ・ソフト、および関連するアプリケーションをインストールし、バレエの要素動作のアニメーション化を選択的に行った。さらに来年度の準備となるシステム構築のためのデータ入力、データの加工、プログラム開発を、すべてパーソナル・コンピュータ上で行った。
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