背景:反転磁場配位(FRC)プラズマは、プラズマベータ値が90%程度と他の装置に比して極めて高い。そのため、FRCプラズマはヘリウム3核融合炉として成立する可能性があり、ゆえにFRCプラズマの物理を明らかにすることは、重要な研究テーマである。 目的:FRCプラズマのプラズマ内部構造を測定する方法は、未だ充分には開発されていない。当研究では、プラズマからの可視域光輻射強度分布を多チャンネル計測し、計算機トモグラフィー(CT)の手法を用いて断層像の時間発展を得ることを目的としている。 成果:今年度の成果は以下の通りである。 (1) 検出器としては、従来光電子増倍管が使用されていたが、これにはチャンネル間の相対較正が困難などの問題がある。そこで、検出器として16チャンネル一体型のフォトダイオードを使用することにした。 (2) 可視域光によりCTを行うには、測定光を分光することが不可欠である。分光器を使用することが考えられるが、これではシステムが高額になってしまう。検討の結果、色ガラスフィルターが最も適切であることが分かった。 (3) 可視域光によりCTを行うには、真空容器壁面からの反射光を低減する必要がある。黒色塗料を使用する方法がこれまで用いられて来たが、真空を劣化させてしまう欠点がある。黒色アルマイトによる反射防止板を制作し、これが充分な性能を持っていることを明らかにした。
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