気泡流における界面輸送方程式の開発に関する研究を行った。界面面積のシンク項である気泡の合一機構としては気泡間のランダムな衝突を、ソース項である気泡の分裂機構としては気泡と乱流渦のランダムな衝突を考え、輸送機構のモデル化を行った。モデル中の気泡一気泡間、気泡一乱流渦間の衝突頻度は気体の分子運動論を基礎に気泡自身による排除容積を考慮に入れて定式化を行った。また、モデル中の気泡合一確率は、気泡間液膜の消失時間と気泡接触時間との関係から、気泡分裂確率は、乱流渦エネルギーと気泡分裂に要するエネルギーとの関係から定式化を行った。モデル計算により、低液流速、低ボイド率域では、気泡合一確率に対し、気泡分裂確率は無視できること、高液流速域では、気泡分裂確率が気泡合一確率より大きくなることを明らかにした。さらに、垂直上昇二相流においては、水頭圧の減少に伴うボイド率の増加が界面輸送の重要なソース項となることを明らかにした。本モデルの検証は、円管(管内径:25.4mm、50.8mm)内気液二相流データを用いて行い、本モデルは誤差6.72%以内でfinely dispersed bubbly flowを含む気泡流界面輸送現象を再現できることを示した。データベース構築に関しては、空気一水二相流ループの新設を行った。本ループにより狭小流路内の局所時間平均ボイド率、界面面積濃度、気相速度、気泡径の計測が可能である。
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