研究概要 |
現有のエネルギー6MeV(最大15MeV)の光陰極電子線形加速器(LEENA)を使って、発生した加速電子ビームとその光陰極励起に用いているレーザーパルスの一部を増幅させた光パルスによるレーザーコンプトンX線発生を計画し、そのためのレーザーガラススラブ増幅システムを設計した。光陰極励起に用いるピコ秒モードロックNd:YLFレーザーは、ミクロパルス(パルス幅14ps、パルス間隔11.2ns)列から成るマクロパルス(パルス幅10μs、繰り返し10pps)の第3高調波であるが、この基本波(1053nm)の一部、マクロパルスエネルギー50mJを切り出し10J(ミクロパルス当り〜10mJ)まで増幅したパルス列とする。この増幅パルスにより生成されるレーザーコンプトンX線としては波長1.8nm、〜10^7 photons/sが見込まれた。このための増幅システムとしては、Franz-Nodvickの式より計算しNd:glass(HAP-4,20×70×240mm)スラブを4本のXeフラッシュランプ(13F8)で励起する4パス増幅システムとした。また増幅光パルスの集光特性を良くするためビーム品質の向上のために、イメージリレーを用い位相共役鏡も試みる。ガラスレーザーの冷却効率を上げるため、エバネッセントコートとしてフッ化マグネシウム膜を用い、サファイア板を通し間接水冷する事を検討した。現在、このガラス増幅システムの電源、冷却器の動作確認が終り、レーザーヘッドの動特性として小信号利得を測定しシステムを構築している。 またコンプトンX線発生用の真空チャンバ及び2次元CCD等の測定系を検討し、これを用意した。
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