1. MKはスルファチドに特異的に結合する ミッドカイン(MK)の作用機序を明らかにする為、まずMKの細胞成分に対する結合を調べた。固相化糖脂質に対する^<125>I標識MKの結合実験、固相化MKに対する糖脂質含有リボソームの結合実験、培養細胞に対する^<125>I標識MKの結合実験から、MKは硫酸含有糖脂質であるスルファチドに特異的に結合することが明らかになった。125I標識MKのスルファチドに対する解離定数は約5〜10nM^<-1>でヘパラン硫酸プロテオグリカンに比べ約5〜10倍の高値であった。(投稿準備中)。 2. PTNノックアウトマウス作成 MKには、アミノ酸レベルで約60%の相同性を有するPTNと呼ばれるタンパク質が存在する。これら2つのタンパク質は、非常に類似した生物活性を示すため、MKのシグナル伝達機構を明らかにするため、MK及びPTNともに発現が認められない細胞株、もしくは動物を作り出す必要が生じた。そこでMK遺伝子の発現誘導システムを構築する前に、PTNノックアウトマウスの作成を試みた。PTN遺伝子のエクソン2及び3をネオマイシン耐性遺伝子に置換した2種類のターゲッテイングベクターを作成した。これらベクターをES細胞に導入し、PTN遺伝子に対し相同組換えを起こした細胞株数クローンを得た。これらのうち2クローンをマウス胚盤胞に注入することにより、現在キメラマウスの作成に成功している。平成11年度内に、既に作成されているMKノックアウトマウスとの交配によりMK/PTNダブルノックアウトマウスの作成を予定している。
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