研究概要 |
(aaRS遺伝子の変異体のライブラリーの作製)大腸菌アルギニルtRNA合成酵素(ArgRS)変異体のライブラリーを,エラープローンPCRによって増幅した遺伝子をプラスミドに組み込むことで行った.作製したライブラリーのサイズは,10の7乗であった. (aaRSのin vivoセレクション)tRNA^<Arg>の主要なアイデンティティー決定因子であるA20,C35,A38について置換したtRNAバリアントをそれぞれ作製し,これらをターゲットにしたセレクションを行った.A20C,A38U置換体については,argU10(Ts)変異株に対する相補活性を指標にし,C35U置換体については,in vivoでのアンバーサプレッションを指標にした選択を行った.argU10(Ts)変異株を用いたケースでは,ややバックグラウンドが高くて選択効率がはっきりしないが,エンリッチすることにより,確かに置換型tRNAをin vivoで認識する変異型ArgRSを単離することができた.一部のクローンでは,塩基配列の解析も終了しており,高度好熱菌ArgRSの高次構造(嶋田,濡木ら,未発表データ)と比べリーゾナブルな領域に変異が生じていた.アンバーサプレッションを指標にした場合の選択効率は,1/105であり,10の7乗のライブラリーから100個程度の異なる変異型ArgRSが得られたと考えれらる.現在,これらのArgRSを精製し,速度反応論的解析を進めている.
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