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1998 年度 実績報告書

多義語コドンによる遺伝子発現機構と生物学的意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 10780415
研究機関東京大学

研究代表者

鈴木 勉  東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20292782)

キーワードCandida酵母 / 多義語コドン / 変則暗号 / LC / MS / tRNA / CVGコドン
研究概要

我々はCandida酵母においてCUGコドンがセリンとロイシンの二種のアミノ酸を同時に指定していることを、tRNAの解析と遺伝学的な手法により明らかにし、生物は多義的な遺伝暗号を積極的に使用しうることを示した。今回はこの新規な概念をより確実なものとするため、蛋白質レベルでの解析を行った。Candida albicansのWO-1株をSoll博士(Univ. of Iowa)より入手し、分泌型プロテアーゼ(SAP1)をその培養上清から2段階のカラムクロマトグラフィーにより精製した。SAP1の243番目のCUGコドンでコードされたアミノ酸残基を同定するため、AspNプロテアーゼで消化した後、LC/MSを用いたペプチドマッピングを行った。243番目のコドンが、セリンとロイシンに翻訳されることにより分子量1007.5Da(DAFQAELKS)と1033.5Da(DAFQAELKL)の2種類のペプチドが検出されるはずであるが、tRNAの解析からロイシンを含むペプチド(DAFQAELKL)の存在比はセリンのペプチドの1/30以下であることが予想された。その結果、基本的にm/z値1008.5のセリンに由来するペプチドが検出されたが、同時にm/z値1034.6のロイシン由来と思われる極微量なペプチドも検出された。さらにこのペプチドが予想されたものであることを明らかにするために、合成ペプチドとの保持時間の比較と衝突活性化解離(CID)によるフラグメントイオンの解析からm/z値1034.6のイオンはCUGコドンがロイシンに翻訳されたものであることをつきとめた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Yasukawa,T. et. al.: "Stability of mitochondrial tRNA molecules with pathogenic point mutations." Nucleic Acids Symposium Series. 39. 257-258 (1998)

  • [文献書誌] Suzuki,T. etal.: "High sensitive analysis of modified nucleotides by LC/MS using ESI/iontrap mass spectrometry" Journal of Mass Spectrometry Society of Japan. (in press). (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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