• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1999 年度 実績報告書

転写アクチベーターの作用と転写開始複合体の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 10780418
研究機関名古屋大学

研究代表者

田上 英明  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70273216)

キーワードCRP / RNA Polyinerase / 転写開始反応 / UP element
研究概要

空間的相互作用に関する情報が蓄積している大腸菌の転写装置(RNAP)とその代表的な転写制御因子CRPをモデル系として、転写開始反応とCRPによる転写活性化機構について解析を行った。これまでにCRPの作用点が転写開始複合体形成の促進までに限定されることを証明した。即ち転写開始複合体形成が転写制御のキーポイントなのである。
本研究では転写開始複合体形成に焦点を当て解析を進めたところ、malTプロモーターにおいてはCRP非存在下で転写開始点付近のDNA2本鎖は開裂するものの伸長反応に移行できない新規の不活型転写複合体が形成されることを見出した。malTプロモーターは-35領域から9bp離れた位置にA/Tに富む配列をもつ。このA/Tに富む配列の転写開始複合体形成への影響を解析した結果、この領域がUPエレメントとして機能すること及びそのコアプロモーターとの相対位置によって転写複合体の性質に影響することが明かとなった。UPエレメントの位置による転写開始複合体の性質の変化は他の数種のコアプロモーターにおいても観察され、この結論の一般性が示唆される。
次にmalTプロモーターのCRP転写活性化に対するUPエレメントの影響について検討した結果、UPエレメントはCRP作用に必要であった。即ち、UPエレメントによってRNAPのDNA結合活性が促進され、CRPがpost-recruitment段階においてRNAPと相互作用することで不活型から活性型転写複合体への変換を促進することが示唆される。本研究において得られたCRP,RNAP,DNA各々の相互作用の関係についての新たな知見がより一般的な転写調節機構の理解に繋がることが期待される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Hideaki Tagami and Hiroji Aiba: "An inactive open complex mediated by an UP element at Escherichia coli promoters."96. 7202-7207 (1999)

URL: 

公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi