初代培養軟骨細胞とマイクロ培養の手法を用いて液性因子を介した細胞間情報伝達を検出する実験法を開発した。この手法を用いることにより未熟な軟骨細胞が自らlhh遺伝子の発現を抑制する微小環境を構築することを示した。同時にレトロウイルスベクターによる遺伝子導入法を用いて軟骨細胞の成熟を進行させるBMPが軟骨細胞でのlhh遺伝子の発現を誘導し且つ自らの活性を抑制するNogginを誘導するという、繊細なパターン形成を可能にするメカニズムの存在を示唆する結果を得た。(亀田ら Genes Cells印刷中) またレトロウイルスベクターを利用してAP-1活性を介した細胞レベルでの癌化(トランスフォーメーション)をAP-1と転写活性化能が拮抗すると報告されているグルココルチコイドレセプターの変異体により抑制することに成功した(亀田らCancer.Res.1998)。共同研究としてトランスフォーメーション活性を獲得したレトロウイルスのゲノム中に生じた特異な反復配列が逆転写の過程でその繰り返し回数を変化させることを示しその機構についてのモデルを提出した(伊藤らNucleic. Acids. Res. 1998)
|