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1998 年度 実績報告書

分子シャペロンJem1pによる核膜融合の制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 10780439
研究機関名古屋大学

研究代表者

西川 周一  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10252222)

キーワード分子シャペロン / 膜融合 / 核膜 / 出芽酵母 / 接合
研究概要

DnaJファミリーのタンパク質はhsp70のパートナータンパク質として,hsp70の活性の制御を行なっている.酵母小胞体膜に存在するDnaJファミリーのタンパク質Jemlpは,酵母接合時の核膜融合に必須な役割をはたしている.JemlpのC末端領域には,DnaJファミリー間で高度に保存され,hsp70との相互作用に必須なJドメインが存在する.JドメインはJemlpの機能に必須であること,小胞体のhsp70であるBiPが核膜融合に必須であることから,JemlpがBiPのパートナーとして機能していることが示唆されている.
JemlpとBiPとの相互作用をin vitroで解析するため,JemlpのJドメインとグルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)との融合タンパク質(GST-J)を遺伝子レベルで構築した.GST-Jは大腸菌を用いて発現し,大腸菌抽出液の可溶性画分からカラムクロマトグフフィーによって精製した,精製したGST-JはBiPのATPase活性を促進し,ATP存在下でBiPと複合体を形成した.GST-Jのこのような活性は,Jドメインに変異を導入すると消失した.以上の結果から,JemlpがJドメインを介してBiPと相互作用することを,直接示すことができた.
DnaJファミリーのタンパク質の機能として,基質となるタンパク質と相互作用し,hsp70に引き渡すというモデルが提示されている.このことからJemlpは核膜の融合時に,分子シャペロンとして膜融合装置と相互作用していることが予想される.そこでJemlpと相互作用するタンパク質を酵母two hybrid法を用いて検索した.スクリーニングの結果,膜タンパク質をコードするORFがポジティブクローンとして得られた.現在,これが酵母内で実際にJemlpと相互作用しているか検討している.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 金森崇: "Uncoupling of transfer of the presequence and unfolding of the mature domain in precursor translocation across the mitochondrial outer membrane." Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 96 in press. (1999)

  • [文献書誌] 久保祐子: "Two distinct mechanisms operate in the reactivation of heat-denatured proteins by the mitochondrial Hsp70/Mdj1p/Yge1p chaperone system." J.Mol.Biol.286. 447-464 (1999)

  • [文献書誌] 佐藤美由紀: "The yeast RER2 gene,identified by endoplasmic reticulum protein localization mutations,encodes cis-prenyltransferase a key enzyme in dolichol synthesis." Mol.Cell.Biol.19. 471-483 (1999)

  • [文献書誌] 西川周一: "Reinvestigation of the functions of the hydrophobic segment of Jem1p,a yeast endoplasmic reticulum membrane protein mediating nuclear fusion." Biochem.Biophys.Res.Comm.244. 785-789 (1998)

  • [文献書誌] 西川周一(分担執筆): "酵母ラボマニュアル" シュプリンガーフェアラーク東京, 364 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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