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1999 年度 実績報告書

分泌型タンパク質の膜透過効率を制御する新たな細胞因子

研究課題

研究課題/領域番号 10780441
研究機関京都大学

研究代表者

森 博幸  京都大学, ウイルス研究所, 助手 (10243271)

キーワードSecY / SecA / SecE / 膜透過 / ATP / PMF / 再構成 / サプレッサー
研究概要

大腸菌においては、前駆体タンパク質の細胞質からペリプラズム空間への膜透過には、3種の膜内在性タンパク質SecYEGからなる膜透過チャンネルと、膜透過の駆動力を供給するSecA ATPaseが中心的な役割を担っている。タンパク質膜透過のエネルギーとして、ATPと同時に、細胞質内膜間に形成されるプロトン駆動力(PMF)が関与している事が知られているが、その詳細は不明である。膜透過におけるエネルギー利用に注目し、精製SecYEG複合体とSecAを用いた再構成実験系で我々が以前に分離した種々の secY変異体の性質を検討した。その結果、secY39(Arg357His)変異は、SecAのATPase活性の促進が極めて不充分な変異であり、結果的に膜透過初期過程におけるPMF依存性を大きく上昇させている事が明らかとなった。また、secY39 変異が存在する細胞質領域5の系統的な変異解析の結果から、膜透過活性発現に関与する極めて重要なSecY分子中のアミノ酸残基(R357,P358,T362)を同定した。先の変異解析中に得られたSecY変異体が示す優性欠損分泌阻害は、ATPase活性が異常に昂進し、その活性化の制御能が低下したようなsecA変異体(secY39のサプレッサーとして別途に分離した。)により、ほぼ完全に相補された。
以上の結果は、SecYの細胞質領域5(とりわけR357周辺の残基)は、SecAとの相互作用を介して、SecAのATPase活性の発現を厳密に制御し、エネルギーを効率良く利用していることを強く示唆している。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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