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1998 年度 実績報告書

骨格筋細胞をモデル系とした幹細胞の形成機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 10780442
研究機関大阪大学

研究代表者

吉田 松生  大阪大学, 細胞生体工学センター, 助手 (60294138)

キーワード細胞分化 / 幹細胞 / MyoD
研究概要

本研究は、骨格筋細胞のin vitro分化系の解析を通して、幹細胞様細胞が形成されるメカニズムを明らかにする事を目指している。我々は既に、この分化系で、未分化・非増殖状態にいながら、増殖能及び分化する子孫細胞を生み出す能力を保持している幹細胞様の細胞(reserve cells)が出現すること、reserve cellsの形成には、骨格筋特異的転写因子MyoDの発現が低下する事が必須であることを示している。
本年度は、単一の細胞に由来する、遺伝的に同一と考えられる細胞集団が、分化細胞とreserve cellsの両者を生み出す不均一化がどのような機構で生じるかを、細胞周期及び細胞系譜(姉妹、従姉妹関係など)に注目して解析した。GFPラベル細胞と非ラベル細胞の共培養、顕微鏡下でのタイムラプス観察及び、BrdUパルスラベルにより以下の結果を得た。
1。 分化誘導(血清除去)時点での細胞周期上の位置と、分化するかreserve cellsになるかの細胞運命は関連が認められない。
2。 一方、分化するかreserve cellsになるかは細胞系譜と強い相関があり、姉妹あるいは従姉妹関係にある細胞は共通の運命をたどる傾向が非常に強い。
3。 ただし、低い頻度(試算では約1/20)で異なる運命をたどる姉妹細胞を生じる細胞分裂が起こる結果、集団としての不均一性が保たれている。
以上の結果は、今までに明らかに解析はされていない、細胞集団の「ばらつき」あるいは「ゆらぎ」ともいえる現象により不均一性を生じ、それが幹細胞様細胞の形成に深く関わっていることを示唆している。
現在、この「ゆらぎ」と、MyoDの発現量の細胞ごとのばらつき(明らかなばらつきが認められる)との間に関連があるのではないかと考えており、来年度は、蛍光免疫染色法、タイムラプス観察などによりこの仮説を検証する。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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