(1)GM130のゴルジ体膜への局在化を、パルスチェイス細胞分画による実験、培養細胞へのタンパク質の微細注入法を用いた小胞体-ゴルジ体間輸送の阻害実験、試験管内転写翻訳系を用いたのゴルジ膜への組み込み実験によって解析した。その結果、GM130が細胞質で合成された後、すみやかにかつ小胞体などを経由する事なく直接ゴルジ体に局在する事を明らかにした(第52回、日本細胞生物学会大会発表)。(2)トランス・ゴルジに局在し、GM130と非常に良く似た構造を取るgolgin97に着目し、ラットのgolgin97のcDNAをクローニングし抗体を作成してその局在を解析した現在までにgolgin97がゴルジ体膜に塩感受性で結合している表在性の膜タンパク質であること、分子のC末端部分が局在に十分である事を明らかにした(第72回、日本生化学会大会発表)。これらの結果は現在論文発表の準備を進めている。(3)ゴルジ体の構造タンパク質を濃縮した分画に多く含まれる4種のタンパク質の同定を行ったところ、これらが、ERGIC53、MG160、GPP130、clathrin heavy chain であることが明らかとなった。現在、これらのタンパク質とGM130の相互作用を探っている。
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