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1999 年度 実績報告書

ショウジョウバエ細胞膜プロテオグリカンの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 10780464
研究機関東京都立大学

研究代表者

中藤 博志  東京都立大学, 理学研究科, 助手 (90275008)

キーワードショウジョウバエ / プロテオグリカン / dally / ヘパラン硫酸 / プロモーター / 発現調節
研究概要

キイロショウジョウバエdally遺伝子は細胞膜結合型ヘパラン硫酸プロテオグリカンのコアタンパク質をコードしている。dally突然変異体の幼虫中枢神経系では、神経芽細胞の分裂周期の進行が異常となる。また、翅、複眼、触角、外部生殖器などの成虫形態にも異常をきたす。これまで、多くの研究によりDallyの機能にはその糖鎖(ヘパラン硫酸鎖)の働きが重要であることが示されてきた。一方、Dallyコアタンパク質の機能として、正しい場所で正しいタイミングで糖鎖をリガンドに提示することが重要である。今年度は、この糖鎖のキャリアーとしてのDallyの機能を理解するため、dally遺伝子の発現調節機構を解析し、以下の結果を得た。(1)dally遺伝子の全構造を決定した。(2)dally遺伝子はTATA-lessプロモーターにより制御されている。このプロモーターの転写活性をS2細胞を用いて解析し、正のシス調節領域を同定した。一方、dally-lacZコンストラクトを持つ形質転換体を作成し、レポーター遺伝子の発現を解析した。その結果、dally遺伝子上流3.5Kbの領域にほぼすべてのエンハンサーが含まれることが示された。(3)dally5'UTRには3つのATGコドンが存在する。このうちの3番目のATGが本来の開始コドンと競合することにより、翻訳効率を減少させていることが判明した。(4)dally 3'UTRはmRNAを不安定化する効果があることが示された。この配列中には2つのmRNA不安定化シグナルのコンセンサスが見つかった。以上のように、dally遺伝子の発現は、転写・翻訳・mRNA分解を含む多段階で制御されている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Atsuhiro Kishimoto: "Biosynthesis of major plasma proteins in the primary culture of fat body cells from the silkworm, Bombyx mori."Cell Tissue Res.. 297. 329-335 (1999)

  • [文献書誌] Manabu Tsuda: "A cell surface proteoglycan, Dally, regulates Wingless signalling in Drosophila."Nature. 400. 276-280 (1999)

  • [文献書誌] Ken-ichi Shofuda: "Molecular cloning and characterization of a cDNA encoding a larval cuticle protein of Bombyx mori."Comp. Biochem. Physiol. B. 122. 105-109 (1999)

  • [文献書誌] Hiroshi Nakato: "Function of Dally in Decapentaplegic and Wngless signalling pathways"Cell Surface Proteoglycans in Signalling and Development. 181-187 (1999)

  • [文献書誌] 中藤 博志: "ショウジョウバエ細胞膜プロテオグリカン機能の遺伝学的解析"日本生化学会 (印刷中). (2000)

  • [文献書誌] Hiroshi Nakato: "The function of Dally, a Drosophila glypican, in Dpp signalling"Kluwer Academic Publishers, Dordrecht. 5 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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