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1998 年度 実績報告書

大脳基底核-視床-前頭前野投射とその機能について

研究課題

研究課題/領域番号 10780513
研究機関関西医科大学

研究代表者

松崎 竜一  関西医科大学, 医学部, 助手 (70239002)

キーワード発声 / 運動学習 / 前頭前野 / 小脳 / サル / 運動野
研究概要

大脳皮質フィールド電位の慢性記録により、前頭前野をはじめとする前頭葉皮質の運動学習における機能を検索した。麻酔下で、サルの前頭前野、運動前野、運動野等の種々の大脳皮質領野の皮質表面と、表面より2.0〜3.0mmの皮質深部に慢性記録電極を設置した。サル回復後、聴覚刺激(サルの"coo"call)に応じて迅速、的確に発声(聴覚始動性発声)するよう訓練した。玄番ら(Neurosci Lett,190:93-97,1995)が報告しているように、学習初期に表面陰性-深部陽性電位が前頭前野(弓状溝下肢の前壁)において刺激後約70mseeの潜時で出現した。また、運動野の顔面領野には表面陰性-深部陽性電位が刺激後約200msec、発声前約700msecの潜時で記録された。片側の小脳核を破壊すると、対側運動野の表面陰性-深部陽性電位は消失し、発声の周波数成分に変化が認められたことから、久宝ら(Neurosci Lett,230:101-104,1997)によって形態学的に示された小脳-視床後外側腹側核吻側部-運動野顔面領野投射の発声運動への関与が示唆された。しかし、手の運動の場合と異なり反応時間の延長は認められず、発声運動に対する小脳の関与は、手の運動の場合とは異なっていることが推定された。また、前記の学習初期に出現する前頭前野電位は、運動学習における刺激と運動の連合に関連していると考えられるが、この電位の由来は知られていない。前頭前野には大脳基底核より視床を介した入力の存在が報告されており、今後この経路の電気生理学的、形態学的検索が必要と考えられる。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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