研究概要 |
今年度はシリコンの微細加工技術によりマイクロプローブを製作するために,まず有限要素法解析により振動特性を理論的に解析した.解析では実際に製作するカンチレバーの形状をモデル化し3次元構造振動解析を行なった.シリコンの片持ち梁およびねじれ梁について形状パラメータが共振周波数など周波数応答に与える影響を詳細に検討した.その結果,ねじれ梁は高次のモードを排除できるが片持ち梁の方が同程度の形状を有する場合,共振周波数は高い値を示した.次に単結晶シリコンを用いて実際にマイクロプローブを製作した.シリコン基板表面にフォトリソグラフィー技術によりパターンを転写・現像し、酸化膜をエッチングした.その後,TMAHによる溶液エッチングあるいはICP-RIEによるガスエッチングによりプローブを自立させた.製作したマイクロプローブの周波数特性はLC共振回路による容量センサおよび発信器から構成される実験装置によって測定を行ない,FEM解析結果とよい一致を示すことを確認した.また,微弱光を検出するためのフォトダイオードの製作も併せて行なった.n型のシリコン基板にp型のボロンイオンを打ち込むことでp-n接合を形成した.逆バイアス1Vを負荷した状態でで電流-電圧特性を測定した結果,典型的なフォトダーオード特性が得られた. 現在は,微弱光を導波させるための光導波路,光子を集光させるためのマイクロレンズなどの部品設計を行なっているところである.
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