研究概要 |
マウス腹腔マクロファージを繰り返しひずみ負荷下で培養し,形態変化,貧食能の変化を調べた。さらに,マクロファージの泡沫化,力学的特性に繰り返しひずみが及ぼす影響を調べるための基礎研究を行った。 (1) 繰り返しひずみがマクロファージの形態および貧食能に及ぼす影響 マウス腹腔マクロファージをシリコーンシ一トに接着させた後,製作した繰り返しひずみ負荷装置により周波数1Hzで5%の繰り返しひずみを与えながら1,2日間培養した。培養終了後,形態観察を行うとともに,ラテックスビーズの貧食能を調べたところ,繰り返しひずみが形態に影響を与え,また,ビーズの貧食活動を抑制することがわかった。 (2) 繰り返しひずみがマクロファージの泡沫化に及ぼす影響を調べるための基礎研究 マクロファージを繰り返しひずみ負荷下で培養し,酸化LDLを取り込ませて泡沫化度の評価を行う。そのために,シート上に接着したマクロファージをOil-Red O染色するための方法を確立した。 (3) 力学的負荷環境下で培養した細胞の力学的性質の計測のための基礎研究 マウス腹腔マクロファージ,家兎動脈より採取した平滑筋細胞を,シリコーンシ一トに接着させた後,繰り返しひずみ負荷下で培養し,培養終了後,原子間力顕微鏡により細胞の形態と力学的性質を計測する。計測は37℃の生理的溶液中で行うため,原子間力顕微鏡の試料ステージを37℃に保つ方法を考案した。計測ユニット全体をヒーター内蔵の保温ボックスで覆い,試料ステージに取り付けたヒーターおよびステージ上への温めた溶液の循環により,計測環境をほぼ37℃に保つことが出来た。
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