研究概要 |
1. 本研究の目的: ロボット工学分野では,障害者支援ロボットが盛んに研究されているが,それは病気や障害におちいってからの外部支援対策である.一方,健康増進や疾病予防や機能回復にも積極的に努力することが必要である.乗馬によるリハビリテーションはイギリスをはじめヨーロッパでは理学療法士によく使われている.これは,乗り手は馬の動きに合わせてバランスを取ろうとするので,適度なリラックスと緊張感を産み,脳幹を刺激し,筋肉の発達,血液の循環を助け,肺活量も増し,健康全般を促進するからである.しかし,リハビリ用の穏やかな馬が非常に少ないだけではなく,馬とリハビリとも分かる訓練の担当者の確保,場所の確保,馬の飼養などで高額な費用を必要とする.そこで,乗馬ロボットを製作し,実際にリハビリの臨床実験を行うのが本研究である.一年間で申請書中の計画のとおり次のような内容を完成し,研究成果を学会などで発表をした. 2. 完成した具体的な内容: (1)1998.3までは,理学療法士とディスカッショシを行うことにより,腰痛を予防・治療するための21種類の運動を実現する,乗馬ロボットの全体構造を設計した.(3)1998.4からの半年間で乗馬ロボットの運動学モデルと動力学モデルを導出して,最適な機械サイズを決定して,各部分の機械製図を描いた。(3)1998.10から本体の試作に入り,現在提案したデジタル加速度制御法により胴体を支える本体の運動制御を成功させた. 3. 残っている課題: 今後馬の胴体を製作し,実際の臨床実験を行うことにより,本システムの有効性を実証することが必要である.
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