研究課題/領域番号 |
10831009
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
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研究分担者 |
都築 雅子 中京大学, 教養部, 助教授 (00227448)
白井 英俊 中京大学, 情報科学部, 助教授 (10134462)
三宅 なほみ 中京大学, 情報科学部, 教授 (00174144)
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キーワード | 二言語併用者 / コード・スイッチング / 談話行動 / 会話データ / 日英語併用 |
研究概要 |
本年度は昨年に引き続きデータ収集を行った。対象児は以下のとうりである。 1.0歳から8歳二言語併用児6人。幼児と母親もしくは研究者との会話の記録毎月1回1時間。 2.また北海道において、5歳から13歳までの二言語併用児6名(男女各々3名)一年に一回三時間。 3.12年度新たに二家族、0歳から7歳まで5名舞月1回1時間。 すべて父親もしくは母親が日本人、他方が外国人の家族であり、二言語併用児である。 本年度はまた、三つの国際学会において研究成果の発表を行った。以下にその題目と概要を述べる。 第二回バイリンガリズムの国際シンポジウム(1999年4月、イギリス、University of Newcastle upon Tyne)。発表した論文は"Sentence Final Particles and Age Difference in Japanese/English Code-Switching"という題目で、日本語の終助詞を英語の文につけて発話するようなコードスイッチングが15歳未満では見られないことを横断的データから示した。この15歳という時期は二言語併用者が社会的に成熟し、言語能力も十分高くなる時期であり、このような要素が日本語と英語の運用論的な特徴の意図的な組み合わせを可能にしているのだろうと考えられる。 幼児言語セミナー(1999年9月、イギリス、City University)。ポスター発表した論文は"The Development of the Hybrid Complement Clause Structure by Bilingual Children"であり、二言語併用者が8歳から12歳の間に文内においてコードスイッチングする能力を発達させていること、特にこの時期に節単位でミックスするという現象があらわれることを指摘した。 第11回オーストラリアにおける日本研究協会(1999年12月、Central Queensland University)。発表を行った論文は"Receptively Bilingual,Productively Monolingual"という題目で、英語の会話に日本語を用いて参加する幼児の振舞を分析し、そのような行動をする彼らは、習得している運用論的技術から、「認知的に二言語併用者」であることを示した。
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