研究課題/領域番号 |
10834003
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
国際取引
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
間宮 勇 明治大学, 法学部, 助教授 (00202333)
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研究分担者 |
宮野 洋一 中央大学, 法学部, 教授 (30146998)
辻 健児 佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (70037068)
柳 赫秀 横浜国立大学, 大学院・国際社会科学研究科, 教授 (90220516)
森田 章夫 東京都立大学, 法学部, 教授 (30239652)
高田 映 東海大学, 法学部, 助教授 (70216654)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | WTO / 輸入規制措置 / 国内産業保護 / 自由貿易体制 / 国際コントロール / 紛争処理 |
研究概要 |
1995年にWTOが発足して6年が経過し、WTO所協定の実行も積み重ねられてきた。1999年暮れに開催されたシアトル閣僚会議は、新ラウンドの開始を宣言できずに中断され、失敗に終わった。これは、交渉の範囲に関する加盟国間の不一致と共に、発展途上国の不満もその原因として挙げられている。 このような状況の中で、WTO体制下での「自由貿易原則」を、国内産業保護のための輸入規制措置を通して検討するのが本研究の目的であった。しかし、研究組織を形成するにあたり、国際経済法研究者に限定せず、狭い意味での国際経済法研究に限定するのではなく、国際法学者の協力を仰いで幅広い視野で問題を検討しようとしたのが、本共同研究の特徴である。3年間の研究を通して得られた成果は、概ね以下の点である。 1)自由貿易主義が主張され、実践され始めた19世紀以来、主権国家体制を基礎としながら、国内産業保護の要求は、一貫して存在し、それは、WTO体制の下でも、維持されている。 2)第二次大戦後の発展途上国の登場により、「新国際経済秩序」などの主張に表れたように国際経済秩序の改革が要求されたが、国際経済のボーダーレス化や相互依存の深化によって途上国の「体制内化」が進み、表面上、国家間関係における自由化要求は強まっている。 3)国内産業保護の要求と自由化要求という矛盾は、環境、労働基準、競争ルールなど、通商以外の分野の問題と結びつき、通商問題の処理を複雑化させている。 4)以上の状況の下で、ウルグアイラウンド合意によって強化されたWTO紛争処理手続きは、現在までのところ、比較的良好に機能しているが、通商以外の分野の問題が関連することで、機能上の問題も顕在化しつつある。 5)WTO紛争処理手続きを従来の国際法における紛争処理と区別し、国際コントロールとして捉えなおすことによって、4)の問題を再検討する必要がある。 6)加盟国の主権の確保、裁量権の確保の観点から、通商以外の分野の問題をWTO体制の中でどのように位置付けるか、その枠組みを構築する必要がある。
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