研究概要 |
対話型感性製品設計システムの中核と形成するのは製品データベースであり,今年度はエンドユーザーの嗜好についてのユーザーモデルを反映する感性製品データベースを試作した.感性製品の対象としては男性用ジャケットを用いている.ユーザーモデルを構築するために,まず,ジャケットの評価要因となる形容語を設定してSD法を適用し,さらに,SD法の結果について主成分分析を行うことにより,ユーザーのジャケットに対する判断基準についての数理モデルを生成した.この手法により,ジャケットの属性を低次元の直交座標系に記述することが可能となり,ジャケットの類似性に対応する距離を属性空間内で定義し,この距離値を用いることで感性製品であるジャケットの検索が可能となっている.なお,検索機能については,WebクライアントからアクセスできるようにCGIを用いて製品データベースを利用できるインターフェースを実装している. 対話型設計システムについては,Graphical User Interfaceを用いた仮想衣服デザインシステムを構築した.立体でその形状が固定されない衣服のデザインでは,デザイナーの意図を忠実に反映することが望ましい.そこで,容易に衣服の3次元形状をデザインするためのシルエットエディタを提案し,実際にワークステーション上にソフトウェアとして実装した.提案するシルエットエディタでは,基本的な衣服のシルエットをテンプレートとして保持し,これらシルエット形状を修正し,さらに衣服の3次元モデルにこれらの修正を直接反映させることにより,容易に複雑な衣服形状のデザインを行えるようにしている.
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