| 研究概要 |
本研究は,都市環境装置が機能および感性の両面から街路景観形成に及ぼす影響を明らかにすると共に,その影響因子の活用の方法(路上に設置されている多様な都市環境装置類が景観に及ぼす影響に関して,都市環境装置と街路特性,利用特性,そして製品特性相互の関係の観点からの都市環境装置デザイン方法など),今後の都市環境装置デザイン方法の構築のための指標を導きだすことが目的である。
平成10年度の主な研究内容は,都市内の主要街路景観形成における都市環境装置の整備実態を把握し,街路特性(街路規格や周辺の土地利用などの地域特性)および利用特性との関係に関する以下の研究項目に基づいて調査・分析を行い,都市内街路における都市環境装置が景観形成に及ぼす影響を空間と人との関わりから考察した。
(1) 都市環境装置の種類と量,分布,設置状況,仕様等の,福岡市の都心部街路(歩道部)の実態調査。
(2) 都心部街路の土地利用等の地域特性および幅員や交差点状況等街路特性の実態調査。
(3) 上記主要街路の利用実態に関するビデオ等による観察法調査。
(4) 都市環境装置の種類および分布特性と,地域特性および街路特性との相関関係に関する分析。
(5) 上記調査で得られた利用特性と都市環境装置の分布特性,地域・街路特性との相関関係に関する分析。
(6) 都心部主要街路における都市環境装置類が街路景観形成に及ぼす影響についての考察。
その主な結果,街路の都市環境装置の分布特性においては,街路の環境特性を把握した上で,連続・節景観を形成する装置類に対し,秩序化と個性化のいずれかの方向から取り組みことが有効なデザイン方法となりうることを示唆した。また,街路の構成要素と行動特性の関係においては,街路利用者に「内的および外的要因による行動特性」が存在し,都市環境装置類の「線状及び点状の配置特性」などが,利用者の行動に影響していることを明らかにした。
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