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1998 年度 実績報告書

海岸地下水脈の原生生物群集の多様性と系統の解明

研究課題

研究課題/領域番号 10836001
研究機関北海道大学

研究代表者

堀口 健雄  北海道大学, 大学院理学研究科, 助教授 (20212201)

キーワード渦鞭毛藻綱 / 海岸地下水脈 / 分子系統 / 形態分類 / 砂地性渦鞭毛藻類
研究概要

本年度は北海道石狩海岸を主なフィールドとして海岸地下水脈に生育する原生生物の内,最も出現種数の多い渦鞭毛藻類を中心に調査をおこなった。その結果以下の点が明らかとなった。海岸地下水脈は塩分濃度が潮汐と地下水の影響を受けダイナミックに変化するが渦鞭毛藻類は塩分濃度の高い地点でより出現種数が多かった。しかし,広い範囲の塩分濃度に適応している種もいくつか見られた。季節的な出現種の変化も見られたが,一般的に水温の上がる夏に出現種数は減少した,一方,海水温が零下近くになる真冬にも多くの渦鞭毛藻類の出現が確認された。調査期間を通して出現した渦鞭毛藻はAmphidinium 11種,・Gymnodinium 5種,Gyrodinium 3種,Katodinium 4種,Oxyrrhis 1種,Sinophysis 1種,Roscoffia 1種および所属不明の種が2種類,計28種類であった。これらはいずれも葉緑体をもたない従属栄養性の種である。
これらの海岸地下水脈性の渦鞭毛藻類はどのような渦鞭毛藻類に起源したのであろうか。また,地下水脈性の渦鞭禁藻類同志の系統関係はどのようになっているのだろうか。これらの疑問に答えるには分子系統学的研究は不可欠である。そこで本研究では単一細胞からのPCRによる遺伝子増幅を試み,いくつかの種からLSUrDNAの部分配列(D1,D2領域)の塩基配列の決定に成功した。既知の渦鞭毛藻類と合わせて系統解析をおこなったところ地下水脈性の渦鞭毛藻類2種はギムノディニウム目-プロロケントルム目-ペリディニウム目複合体の末端に位置することがわかった。このことは,これら現在従属性の種は二次的に葉緑体を失ったものであることを示唆するものである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] T.Horiguchi: "Ultrastructure of Stylodinium littorale (Dinophyceae) with special reference to the stalk and the apical stalk complex." 46・4. 205-211 (1998)

  • [文献書誌] T.Horiguchi: "Phototactic responses of four marine dinoflagellates with different types of eyespot and chloroplast." Phycological Research. 47・2(印刷中). (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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