研究概要 |
1.平成12年5月18日から25日まで広島県ならびに兵庫県において,6月4日から11日まで長野県八ヶ岳ならびに志賀高原において,6月21日から7月4日まで北海道各地で,また7月24日から30日まで長野県の八ヶ岳において調査をおこない多くの研究材料を得た. 2.次の内容の5論文を発表した.(1)ヒラタハバチ亜科に近縁のマツヒラタハバチ亜科Acantholyda属のうち,Acantholyda posticalis(Matsumura,1912)に近縁の種を分類学的に再検討し,世界に7種を認めた.このうち,日本,中国ならびに韓国から発見された5種1亜種を新種あるいは新亜種として記載・命名した.(2)パリ国立自然史博物館の所蔵標本に基づいて,Pamphilius norimbergensis Enslin,1917をフランスから初めて記録した.(3)これまで知られていなかったPamphilius basilaris Shinohara,1982の雌を初めて記載し,図示した.(4)パリ国立自然史博物館に所蔵される,今世紀初頭に活躍したフランスの研究者M.Picの記載したヒラタハバチ科のタイプ標本を分類学的に再検討し,1種について後基準標本を指定し,3種について,他の種の新参シノニムであることを新たに確認した.(5)マツヒラタハバチ亜科Acantholyda属の日本産の種を分類学的に再検討し,14種を認めた.このうちいずれも本州からの2種1亜種を新種・新亜種として記載・命名した.また,これまで知られていなかったA.albomaculata Shinohara,1985およびA.iwatai Takeuchi,1938の雄を初めて記載し,後者を四国ならびに九州から初めて記録した.
|