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1999 年度 実績報告書

遺伝子の分節構造に着目したゲノム遺伝子の自然史学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10836022
研究機関国立遺伝学研究所

研究代表者

舘野 義男  国立遺伝学研究所, 生命情報研究センター, 教授 (00202424)

研究分担者 川西 祐一  富士通(株), 科学システム統括部, 研究職
五條堀 孝  国立遺伝学研究所, 生命情報研究センター, 教授 (50162136)
キーワードHLA / MIC / ゲノム断片重複 / LINE / エポキシダーゼ / プロテオーム / 色素遺伝子 / ゲノム比較
研究概要

ゲノム解析の昨年度の延長として、まずヒト組織適合性抗原遺伝子領域の解析をさらに進めた。この領域には多くの遺伝子が存在すると同時に、数10キロ塩基対の長さに及ぶゲノム断片の重複が2箇所あることが示唆されている。当研究では、これらのそれぞれの断片に相同なLINE配列が存在することを発見し、これらのゲノム断片が重複の結果生成されたことを決定的に証明した。さらに、2組の重複断片について相同なLINE配列を比較して、それぞれの進化距離を求めた。その結果、2組の断片のLINE配列間の進化距離は有意に異なっていることが分かった。つまり、2つのゲノム断片重複は進化の異なった時点で起こったことが明らかになった。一方、他の研究で報告されたヒトとゴリラのLINE列を比較して、LINEの塩基置換速度を推定した。この速度値と重複断片のLINE配列間の進化距離から、2組のゲノム断片の重複は、それぞれ約25万年前と約50万年前に起こったことが推定された。これらの1組の重複断片にはHLAのBとCの遺伝子座が存在し、もう1組の重複断片には、MICのAとB遺伝子座が存在する。当研究はこれらの遺伝子座の起原と進化について、新しい知見を与えるものと思われる。
この他に、遺伝子やゲノムの自然史的研究から、(1)真核生物では始めてのエポキシダーゼ遺伝子の発見、(2)大腸菌ゲノムの株間の比較研究による塩基置換速度の推定、(3)ホヤの色素遺伝子の起原の推定とその進化、(4〉微生物ゲノム遺伝子の比較研究によるオペロン構造の進化などについての実積を挙げた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Sato, S. ら: "Structure and Developmental Expression of the Ascidian TRP Gene : Insights Into the Evolution of Pigment Cell-Specific Gene Expression"Developmental Dynamics. 215. 225-237 (1999)

  • [文献書誌] Itoh, T. ら: "A low rate of nucleotide changes in Escherichia coli K-12 estimated from a comparison of the genome se1uences between two different sub strains"FEBS Letters. 450. 72-76 (1999)

  • [文献書誌] Itoh, T. ら: "Evolutionary Instability of Operon Structures Disclosed by Sequence Comparisons of Complete Microbial Genomes"Mol. Biol. Evol.. 16. 332-346 (1999)

  • [文献書誌] Hatta, Y.ら: "HLA genes and haplotypes in Ryukyuan suggest a recent gene flow to the Okinawa islands"Human Biology. 71・3. 353-365 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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