(1)購入した2台の曝露量計EMDEXMATEの性能を研究室の既設の3次元ヘルムホルツコイルを用いてチェックした。このメータは0.5秒毎にサンプリングした曝露磁界の平均値とその標準偏差、最大値、計測時間を表示するようになっているので、便利である。同時に使用するEMDEXIIについてもチェックを行った。これらの測定器を腰およぴ胸部に保持し、磁界分布からそれらの部位における曝露量の差を明らかにした。 (2)本研究では屋内の電界を直接、計測する代りに、人体誘導電流に着目して間接的に電界特性を定量化することを提案している。この計測を可能にするアナログデータ光伝送システムを完成させた。 (3)パソコンモニターからの電界による人体誘導電流特性を明らかにした。また、15種類の電気製品からの人体漏れ電流の測定を行い、ANSI規格の制限値との比較、および送電線電界による誘導電流との比較を行った。 (4)配電線からの磁界の実測結果から高調波電流の存在を確認した。特に、第5高調波電流の成分が多いことが分かったので、基本波と第5高調波からなる電流を仮定し、線下空間における合成磁界ベクトルにより高調波の影響を考察した。 (5)送配電線下の地面近傍の磁界は周辺の接地物などにあまり大きな影響を受けないが、電界は地表の凹凸に大きな影響を受ける。また、大地の乾燥・湿潤状態による影響が電界測定値に大きく現れることが実験的に認められ、今後の解析が必要な重要な点が見出された。 (6)電界と磁界に同時曝露された人体モデル内部の誘導電流密度特性に対する電界と磁界の強度および位相差による影響を明らかにした。
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