研究概要 |
本研究は脊髄損傷などの重度の運動障害に対して,電動義装具等の補助機器のための知的制御系を構築することによって,技術的なバックアップを目指すことを主目的としている.平成10年度は,知的制御系を構築するために必要となる実験機器の設置,および関連する研究題目に関する動向調査を中心としておこなってきた.また,11年度に向けて知的制御系のモデルの提案をおこない,基礎実験により生体信号の分離の可能性を確かめた.1. 硬膜外電位の計測方法の検討 脊髄硬膜表面から所定の電位を計測するためには,電極の形状や配置,密度を適切に決定することにより,計測方法を確定する必要が有る.そこで必要となる電極を自由に設計可能とするために多点微少電極をマイクロマシニングの行程を利用して,自由に設計試作を行えるような環境を整えた.(協力:北海道大学大学院工学研究科電子情報工学専攻プロセスダイナミックス分野) 2. 神経細胞の刺激反応系モデルに関する研究動向調査 上記計測方法によって測定された電位変動を処理する知的制御系ヘアプローチするために,神経細胞の刺激反応系モデルに関する研究動向調査を行った.さらに,刺激反応系のモデルの一手法としててさえも,その事故の条件によって切断部位が様々であり,手首関節の直近の場合から肘関節の直後の患者まで存在する.これらすべての人に対応できるような義手メカニズムとなると,手のひらの部分にできる限り多くのアクチュエータを充填する必要があり,その部分が重くなる.しかしながら,腕は先端部に荷重が集中すればするほど,義手ソケット部にかかる曲げモーメントが大きくなり,患者の負担は我々の想像以上に大きくなる.これまで電動義手が利用されてこなかった
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