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1998 年度 実績報告書

末期癌患者のリハビリテーション・アプローチの開発

研究課題

研究課題/領域番号 10838010
研究機関東京大学

研究代表者

木村 伸也  東京大学, 医学部附属病院, 助手 (40251293)

研究分担者 大川 弥生  国立長寿医療研究センター, 老人ケア研究部, 部長(研究職)
キーワード末期癌 / リハビリテーション / QOL / 体力消耗状態 / ADL / 緩和ケア / 老年医学 / 活動性
研究概要

1. 末期癌患者のリハ・ニーズの評価方法の確立(体力消耗状態、ADL、QOLの評価方法の開発)
1998年5〜9月にリハを行った癌患者10例に対してリハ・アプローチの必要性が生じる要因を(1)疾患レベル、(2)ADL及び社会生活行為(ASL)、職業能力(VS)、余暇活用能力(AS)の実行度と実行方法からみた生活の活動性、(3)QOLの構造(生物レベル、個人レベル、社会レベル、及び主観的QOL)に沿って検討し、体力消耗状態の自覚症状と他覚的所見、ADLとQOLの評価方法を作成した。調査結果は、対象者の年齢によってQOL向上の方向性が相違しリハ・ニーズも変化することが明らかになった。すなわち65歳以上の高齢群は家族との生活における自分の役割や介助負担の軽減等の家庭・家族との関係を重視し、65歳未満の若年群では職業や主婦等の社会生活を重視する傾向が大きかった。疾患レベルでは原疾患は1例を除いて進行期にあり、放射線や化学療法による全身的な影響と平均1.5ヶ月の臥床安静による廃用症候群が全例に認められた。2例に変形性膝関節症と変形性脊椎症による疼痛の再燃を認め、これらが体力消耗状態の背景として重要であった。
2. 1998年9月〜1999年2月の患者24例を対象として、予備調査の結果を基にして、本人、家族のQOLに影響しうるADL、ASL等の問題点を個々の動作の様式と一日の生活活動性について詳細に観察・記録し、リハ・アプローチとの関係、今後のリハアプローチの指針を検討した。その結果、リハ・アプローチは以下の点でまだ不十分な点があると考えられた。
(1) 症状の変化に対する生活行為の実行の可否、実行方法(自立か介助かの判断を含む)の指導
(2) 病棟スタッフと家族の介助方法、特に自立と介助の優先順位についての指導、助言
(3) 院内と自宅の環境の差を考慮した生活行為の手順の確認と指導
(4) 院内環境にあるADL自立の阻害要因の解決。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 木村伸也: "末期癌患者へのリハビリテーション・アプローチ-特に「ハイリスク・体力消耗状態」の視点から" 日本老年医学雑誌. 35頁 (Suppl). 141-141 (1998)

  • [文献書誌] 木村伸也: "末期癌患者へのリハビリテーション・アプローチ-特に「体力消耗状態」の要因分析とそのアプローチ" リハビリテーション医学. 35巻,11号. 885-885 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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