移植細胞のマイクロカプセル化について研究を進めている。遠心マイクロカプセル化装置の試作を行い、これを用いて細胞モデル物質のマイクロカプセル化を行った。試作機は、円盤状のローターを有し、このローターを回転しながら、ゲル化剤等を順次重層していき、最後に細胞モデル物質のサスペンジョンを注入して、多量のモデルに物質のカプセル化を一度に行うシステムになっている。カプセル化は、ほぼ予想通りに行えるものの、ローターを停止し、カプセル化物を回収するときに、重層液の撹拌が起こり、マイクロカプセルがゲルに取り込まれてしまう問題が起きた。現在この点を改良すべく研究中である。また、異種細胞を拒絶反応から保護できるマイクロカプセルの開発とその、免疫隔離機構について研究を進め、カプセルに添加したポリアニオンが補体と種々の様式で相互作用をすることを明らかにした。特にポリスチレンスルホン酸はH因子と強く相互作用し、補体を失活させることを明らかにした。この結果については、Bioartificial Organs IIに発表した。
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