研究課題/領域番号 |
10838034
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
岡島 康友 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (50160669)
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研究分担者 |
長谷 公隆 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80198704)
千野 直一 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90051531)
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キーワード | 機能的電気刺激 / 筋電図 / 筋線維伝導速度 / 骨格筋 |
研究概要 |
1.研究目的:機能的電気刺激(FES)を臨床応用する際には、刺激筋の筋疲労により目的とする姿勢や動作が維持できなくなることが問題となる。本研究では、ラットの骨格筋を用いた持続的電気刺激において、張力と誘発電位の経時変化を調べ、筋疲労の発現を予測するのに適当な電気生理学的パラメーターを求めることを目的とする。 2.研究方法:16週齢雄ウイスターラットの前脛骨筋(TA)およびヒラメ筋(SOL)を被検筋として、2Ch型電気刺激装置を用いて、筋肉を直接刺激した際に生じる等尺性張力と誘発筋電図を記録した。2対の刺激針電極と5個の表面電極列から成る小型特殊電極を独自に作製して、筋膜上に固定して用いた。電気刺激条件は周波数20Hzまたは40Hz、パルス持続時間0.2ms、強度は1.6mAとして、30秒間の持続刺激を行った。誘発筋電図は、隣接した表面電極の双極誘導にて4Chで記録し、活動電位の振幅(peak-to-peak)、潜時(first negative peak)およびMFCVの変化を10秒毎にoff-lineで解析した。本年度は、平成11年度までの解析結果をもとに、統計学的処理と研究総括を行った。 3.研究成果:持続刺激における活動電位の振幅、潜時、MFCVの変化は、時間的因子の影響を受けており(p<0.05,Friedman検定)、張力の減少に先行して認められた。但し、TA40Hz刺激では活動電位の振幅の減衰が著しく、潜時やMFCVの計測が困難な場合が多く認められた。筋疲労をモニターするには、振幅と関連した指標を用いることが有用であり、潜時とMFCVについては信頼できる鋭敏な指標とはなりにくい可能性が示唆された。
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