研究課題/領域番号 |
10838048
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研究機関 | 大阪府立看護大学医療技術短期大学部 |
研究代表者 |
奥田 邦晴 大阪府立看護大学医療技術短期大学部, 医療技術短期大学部, 助教授 (20269856)
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研究分担者 |
畠中 泰彦 吉備国際大学, 保健科学部, 講師 (10309601)
林 義孝 大阪府立看護大学医療技術短期大学部, 医療技術短期大学部, 教授 (90269837)
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キーワード | 身体障害者 / 水泳 / 障害区分 / バイオメカニクス / 脳性麻痺 / 身体障害者スポーツ |
研究概要 |
障害者の水泳競技においては、異なる身体障害を持った選手が競技するために障害区分によるクラス分けが行われている。しかし水泳に必要な身体機能の障害は原因疾患によって異なり、特に脳性麻痺(以下CP)、脳卒中などの中枢神経疾患においては運動の困難さはその速度、あるいは重力の影響を大きく受けるため、一概に関節可動域や筋力測定の結果のみから評価は困難である。実際の水泳動作中における身体の挙動からの競技能力の評価が望ましいが、客観的、定量的な評価基準は確立されていない。そこで三次元動作解析装置を用いてCPの水泳動作を運動学的に検討し、若干の知見を得た。 【対象】スキルの問題を可能な限り除外するため世界選手権出場者の中から年齢20〜24歳のCP(痙直型両麻痺)女性3例の水泳動作を記録した。比較のため年齢22歳の健常女性1例を対象とした。 【方法】距離25mの競泳用プール内で被験者に競技中と同様に最大限の努力で泳がせ、プールの中央付近で予め校正した水中ビデオカメラ4台にて水泳動作を記録した。泳法は全例クロールとした。解析にはMP JAPAN:VM95を用いた。 【結果】以下の4項目について比較した。下肢各関節の角度変化は、健常者では股関節の最大伸展角度が34.0゚であったのに対し、σ群では5.2〜24.6゚と低値を示した。骨盤の最大回旋角度は、健常者では右6.4゚、左5.8゚であったが、σ群では右7.3〜9.5゚、左8.8〜10.1゚と高値を示した。1ストローク中の両肩関節の鉛直方向の移動量の平均は健常者では12.8゚であったのに対し、CP群では14.9〜27.3゚と比較的高値を示した。. 以上、3例からの知見を述べたが、今年度はこの症例以外の20例に対して、同様の方法で、水中データを採取した。現在、三次元動作解析装置で分析中である。今後、さらに、症例を重ねると共に、健常者のデータも採取、分析する予定である。
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