研究概要 |
犬のアトビー性皮膚炎の原因となるアレルゲンを、抗原特異的IgE測定ならびに皮内反応を用いて検索した。その結果、皮内反応のアレルゲン検出率はIgE測定よりも高かったが、両者の一致率は83%であった。 次に、皮内反応と抗原特異的IgEの結果をもとにして減感作療法を実施し、結果を比較したところ、皮内反応を行ってアレルゲンを確定したものでは65%の有効率を示し、IgE測定を行ったものでは55%であった。しかし、両者の有効率の間に統計学的な差はなかった。したがって、犬のアトピー性皮膚炎のアレルゲンの検出には、皮内反応が優れていると考えられたが、IgE抗体の検出もその十分な代替手段になると思われる。 アトピー性皮膚炎の犬からPBMC(Peripheral Blood Mononuclear Cells)を採取して培養し、感作抗原に対するPBMCの反応をしらべた。PBMCにIgE抗体陽性抗原を加えると著しいリンパ球の幼若化が認められた。また、犬のアトピー性皮膚炎のリンパ球がTh1型あるいはTh2型かを知るために、アトピー性皮膚炎の犬のPBMCにおけるIL2,IL4,IL10,p35IL12,p40IL12をcompetitive RT-PCRで測定した。その結果、犬のアトピー性皮膚炎のPBMCはTh2型であることがわかった。
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