研究課題/領域番号 |
10839015
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
川村 清市 北里大学, 獣医畜産学部, 教授 (60050530)
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研究分担者 |
星 史雄 北里大学, 獣医畜産学部, 講師 (00219164)
樋口 誠一 北里大学, 獣医畜産学部, 助教授 (60095510)
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キーワード | 原虫感染症 / Theileria sergenti / Babesia ovata / Babesia gibsoni / 原虫病の診断液 / 原虫の主要抗原 / 間接蛍光抗体法 / 獣医学 |
研究概要 |
本研究の目的は、牛や犬に感染する住血原虫の主要抗原を検索し、それに対するモノクロナル抗体を作成して、臨床獣医師が簡易で迅速に応用可能なバベシアおよびタイレリア科の住血原虫病の診断液を開発することである。本年度の研究で次の成績を得た。 1) 各住血原虫に人工感染した牛および犬を作出し、各原虫感染率が15%以上の原虫感染血球を作成した。 2) 各々の血球を溶血素で処理の後、各虫体merozoitの主要抗原をSDS-PAGEで分離した。その結果、Theileria sergenti感染(牛)では23および32kDa、Babesia ovata(牛)19kDa、およびBabesia gibsoni(犬)24.5kDa周辺にそれぞれの主要抗原蛋白を検出することが出来た。 3) SDS-PAGEで分離した各虫体抗原域の蛋白を分取し、これをBALB/cマウスに免疫し、その脾細胞とミエローマ細胞との細胞融合を3回実施、87種のハイブリドーマを得た。それぞれの培養上清について、汗腺赤血球内の各原虫を抗原とした間接蛍光抗体法(IFA法)を用いてスクリーニングを行ったところ、最終的に15クローンのハイブリドーマが得られた。 4) 各クローンが分泌するモノクローナル抗体(Mab)と各虫体主要抗原との特異性について酵素抗体法(ELISA)により検討したところ、7種のMabが著しく特異性の高い反応を示した。 次年度は、各虫体抗原の理化学的・免疫学的性状、および各Mabを用いた診断液の作成について検討する。
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