• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

ネコにおける膜性腎症の臨床病態と尿中微量蛋白分析による診断的意義に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10839016
研究機関北里大学

研究代表者

星 史雄  北里大学, 獣医畜産学部, 講師 (00219164)

研究分担者 川村 清市  北里大学, 獣医畜産学部, 教授 (60050530)
樋口 誠一  北里大学, 獣医畜産学部, 助教授 (60095510)
キーワードネコ / 膜性腎症 / 尿中微量蛋白 / 高脂血病 / c-BSA / 腎臓機能
研究概要

本年度は、ネコの膜性腎症モデルを作出し、その病理組織学的な診断を行うと共に、血液生化学検査、尿生化学検査および腎機能検査を行い、その病態および臨床病理を解析し、膜性腎症発症時に出現する特異的な尿中微量蛋白を検索するものである。
膜性腎症モデルの作出は、c-BSAを週3回、3ヶ月間静脈内反復投与によって作出し、5頭中4頭に糸球体基底膜の肥厚、spike形成、およびIgGの沈着が認められ膜性腎症と診断された。また、これらの血液生化学検査では、c-BSAに伴う血漿TP濃度および血漿Alb濃度の有意な減少、および血漿F-Cho、Cho-E、およびPL濃度の有意な増加が認められたが、血清TGおよびNEFA濃度は変動を示さなかった。さらに、血清リポ蛋白濃度では、血清キロミクロンおよびVLDL濃度に変動はなく、血清LDLおよびHDLは、増加傾向を示したことより、この膜性腎症はIIa型高脂血症であることが示された。腎機能検査では血漿UN濃度および血漿Cre濃度および内因性Cre・クリアランスの変動は認められなかった。24hr尿中蛋白排泄量、尿中蛋白濃度、および尿中蛋白濃度のCre補正値は、c-BSA投与後4週目から著明な増加が認められ、早期に腎機能を反映していたと考えられた。さらに、尿中蛋白のSDS-PAGEを実施した結果、高分子領域の分子量160.5kDa、113.2kDa、および67.7kDaの蛋白バンドの相対濃度の著明な増加ならびに131.4kDaおよび77.8kDaの新しい蛋白バンドの出現が認められた。また、低分子領域でもc-BSAの投与により、新たに分子量42.5kDa、39.8kDa、31.5kDa、および24.6kDaの蛋白が出現した。
次年度はさらに、この膜性腎症で検出された尿蛋白の分離・精製および測定系の開発により、腎疾患の早期診断指標になり得るかどうかを検討する予定である。

URL: 

公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi