平成11年度における本研究においては、昨年度の研究成果、すなわち犬、猫においても実験的に慢性腎不全モデルを作成することによって、明らかに血圧が上昇し、腎性高血圧を発現し、この血圧の上昇がレニン-アンジオテンシン系に関与していることが示唆されたことから、本年度においてはこの慢性腎不全モデルを用い、アンジオテンシン変換酵素阻害薬を投与することによって、実験的に発現した高血圧がどのように変動するかを観察した。その結果、実験的に発現した腎性高血圧はアンジオテンシン変換酵素阻害薬の投与により、投与期間中明らかな血圧降下作用が認められ、犬、猫における腎性高血圧の発現機序の一つとしてレニン-アンジオテンシン系が関与していることが証明された。
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